システム運用上のルール

本システムでは簡易な情報のやり取りが実現されていますが、現状でも医療・介護に従事されている方々は、日常の業務に忙殺されているのが現状であり、無秩序な情報のやり取りは徒に時間を浪費してしまい、本来の業務を損なってしまう可能性があります。また、情報量が多すぎると価値の高い情報が有ったとしても、価値の低い情報(ゴミ情報、ジャンク)に包み隠されてしまいかねません。その為には、参加者各人が情報の取捨選択する能力を向上していく事も必要でありますが、運用にあたってはある程度のルール作りが必要となってくると考えれます。以下にルールの案とその理由について記載しますが、状況によって順次改正、追加していく事がより良い連携をしていく為にも重要となってきます。

  1. 体温や血圧などの、単なる数値情報を投稿しない。また、そのような投稿に対しては返信をしない。
    • 状態に変化が有ったとしても、本人、家族の診療、看護に対する希望がはっきりしない事には医療の押し売りになりかねず、対応のしようがない。また、逐一返信していると、過大な負担になる可能性がある。
  2. 投稿にあたっては、誰に、どのような事を、知ってもらいたい、してもらいたい、返信の要不要等について明確にする事。
    • 医療介護連携を行う者は、すべてチームとなる。チームを構成する者は自分の意志を明確にすることでより良いチームの構成員となる事が出来る。介護従事者が医療行為を行う事については違法となるが、医療行為について介護従事者が意見を述べる事を禁止する理由は無い。医師が患者、患者家族とともに治療方針を選択していくに当たって、医療、介護の枠に囚われず、多種多様な意見を取り入れていくことは全人的アプローチをする為には必要な事であると考えます。
    • これについては医療者側にも問題が有る。介護従事者にとって医師や看護師に意見をする事は「怒らせる」「とんでもない事になる」「干される」などと感じさせる非常に敷居の高い事であって、意図しないまでも医療者の態度がこのような状況を作り出しているとも言えます。
    • 昨今の医師への業務、責任の偏重により、医師のみでは一人の患者に目が行き届かず、患者の全人的な状況の把握は不可能に近いため、複数の人々による数多くの視点が全人的アプローチを可能にすると考えます。
  3. 投稿は出来るだけ日勤帯にのみ行い、深夜の投稿は原則禁止とする。情報の閲覧は勤務時間内のみとする。
    • 投稿した場合には各関係者に通知のメールが送信される。就寝時間中にメールが着信したり、勤務時間外に業務情報に縛られるのは、医療、介護従事者のワークライフバランスを大きく損なうものであり、絶対に避けねばならない事である。
    • 勤務時間外や深夜の緊急を要する情報のやり取りには、訪問診療や訪問看護に24時間対応の緊急電話などがすでに存在しています。
    • 緊急での対応を要しないが、全体で情報を共有する事で、長期的に患者の利益となる情報を選別していく目を養う事が必要となってくる。
    • 緊急の対応を要する情報のやり取りは、メディカルケアステーションの利用規約にも違反するものとなっています。
  4. ケアマネージャーや医師などは担当者や主治医を直接招待する。
    • ケアマネージャーや医師は、事業所や病院内でも担当制を取っている事が多く、情報集約をする必要性があまり無いと考えられる。但し、事業所として情報集約をしたいと考えている場合においてはこれに限らない。
  5. 訪問看護や訪問介護、通所施設などは代表者を招待し、必要に応じて担当者を事業所の代表者が招待する。
    • これらの事業所はある程度の担当制を採っているものの、複数名で対応する事が多く、事業所としても情報集約をする事が必要と考えられる。